県への要望書の回答

「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」から県に出された放射能対策の要望書の回答が来ました。

pdfファイル(3.6MB)


回答書に対するコメント

太田さんから(代表)

内容的には率直なところ宮城県民としてがっかりさせられるものでした。国まかせであったり、やりたくないのを国のせいにしたり、適当な言葉でごまかしたり・・。
子どもを守るということには多分ほとんどの人が異論はないはず?なのに組織になるとなぜにこんなにも違ったものになってしまうのか、残念です。しかし結果がどうであれ、とにかく声はきちんと届け続けなくてはならないと思います。ぜひこの回答書に対する皆さんの感想、コメント、また今後の展開への御意見などをお寄せください。

沼倉さんから(事務局)

1.給食についての要望
(1)子どもの給食に使用する食材については国の基準値よりさらに厳しい「子どものた
めの基準値」を県独自で設けてください。
現在の食品に対する放射性物質の基準は、平L児・幼児への影響も考慮した形で、十分な安
全性を見込んだものとしています。国が暫定基準値を示しているなか、それとは別に県独
自の基準値を設けることについては、高度な専門的知見を基に行うことが求められること
から、難しいものと考えております。
コメント)
→放射能に「安全な値」はない。「安全基準Jとは何万人あたり何人かが死亡するのを許容
するという考え方で作られた値である。どんなレベルの被曝でも健康リスクは被曝量に比
例して増えるという正しい認識に基づき、「食品・水・乳製1干1などの放射性セシウム限界値
の比較J(別紙)を見るべきだ。
(2)各市町村に食品のベクレルを計れる測定器を配備あるいは購入の補助をしてくださ
い。
学校給食の食材については、本県や各都道府県等が放射能検査を実施しており、その検査
で暫定規制値を超える食湿Ⅲが地域的な広がりをもつて見つかつた場合には、出荷制限等の
措置がとられることから、安全が確保されているものと考えております。
コメント)
→すべての食材を涙1つているわけではなく、また、市民が独自に調査した結果によれば、
地域が異なれば測定結果も異なる値となる。そのため、出来るだけ細かく滅Jることが求め
られている。
(3)給食の献立表におもな食材の産地を表示するよう指導してください。その結果とし
て各家庭の判断で給食を食べない選択をすることが認められるよう指導してください。
学校給食の食材に関する産地表示については、設置者と学校の判断によるものと考えてお
り、県教育委員会として一律に指導すべきとは考えておりません。また、給食を食べない
選択をすることについても同様と考えております。
(4)放射能汚染の危険度の高い食べ物の知識など内部被爆を減らすための新たな食育プ
ログラムをつくり、給食関係者はもちろん広く県民に周知してください。
学校給食関係者が放射能・放射線に関して正しい知識を身につけるため、研修会等を実施
してまいりたいと考えております。
2.健康調査についての要望
(1)国は福島県だけでなく宮城県南部でも健康調査を実施する考えを示しましたが、汚
染は県北にも広がっているため、宮城県全体で実施するよう国に引き続き要望してくださ
い。また、子どもや妊婦など影響を受けやすい人の調査を優先させてください。
国には、平成23年7月8日、7月25日、8月4日、9月9日の4回にわたり、健康調
査を実施するよう要望しております。
しかし、国の対応が不透明なため、県として有識者会議を立ち上げ、放射線による健康へ
の影響や、健康調査等の必要性について検討することとしております。
コメント)
→国には健康調査を要望しておきながら、県の有識者会議では健康調査の必要性そのもの
も今後検討するというのは矛盾ではないのか。
(2)問診票の調査のほか、ホールボディカウンターによる検査など、あらゆる手段を講
じて県民の健康を生涯にわたつて公費でチェックできる体制を整えてください。
国に、福島県と同様に健康調査の費用は全額、国が負担するよう要望しております。
コメント)
→国は、「県が必要だと判断すれば、すぐにも動くことができるJと強調、つまり、2,20
0億円にものぼる予備費の一部が使えるとの認識を示している。健康調査を実施する判断
を遅らせているのは、むしろ、宮城県なのではないのか。
(3)健康調査の結果を評価する評価委員には、内部被曝等について慎重な考えを有する
専門家も入れ、慎重に評価を行つてください。
今後、県としては、有識者会議を立ち上げ、放射線による健康への影響や健康調査等の必
要性など1真重に検討してまいります。
(4)子供たちの体調不良や欠席等が全体として増えていないかアンケートの実施や保健
の先生の協力を求めるなどして把握に努め、そして、その情報を県で集約して常にチェッ
クできる体制を構築してください。
学校における児童生徒の健康管理については、担任の教師による毎日の健康観祭や養護教
諭による健康相談等が行われており、健康状態に応じて学校医による健康相談等も行われ
ることとなつております。
なお、その情報の取扱いについては、国に対し要望している健康調査の枠組みの中で対応
できるよう中入れを行いたいと考えております。
コメント)
→ 目視や相談だけではなく、チェック項目をり1記したうえで、保護者も交えてきめ細かく
健康管理をする必要がある。
(5)子どもの年間の外部校爆を調べるため積算線量計を配布してください。
積算線量計による個別測定の必要性やその基準、より具体の対応策等を早期に明示するよ
う、今後とや)国に対して強く要解してまいります。
3.除染についての要望
(1)あくまで一般公衆の被曝限度量は年間lmsvと法律で定められ、現在の状況は法律
違反です。年間l IIISVを超えると見込まれる学校や保育所、公園等の除染を市町村と協力
して公費で行つてください。
文部科学省では、8月26日)学校での年間l msvの被ばくは、時間当たりl μSVを目
安とする方針を打ち出しました。しかし、局所的に高い場所もあることから、国や専門の
機関の指導や助言を仰ぎながら、今後その対策について検討してまいります。
コメント)
→宮城県が言つている文部科学省が8月26日に出した「目安」の全文をみると「学校に
おいて児童生徒等が受ける線量については、原則年間l mSv以下とし、これを達成するた
め、校庭・園庭の空間線量率については、児童生徒等の行動パターンを考慮し、毎時lμ
SV未満を目安とします。なお、仮に毎時l μSVを超えることがあつて()、屋外活動を制
限する必要はありませんが、除染等の速やかな対策が望ましいと考えられます。
一方、学
校内には、校庭・園庭と比較すると局所的に線量が高い場所も存在しており、今後、合理
的にできる限り受ける線量を下げていくとの考え方からすれば、その把握及び除染も課題
となつています。したがつて、学校において比較的線量が高いと考えられる場所について
は、校内を測定して当該場所を特定し、除染したり、除染されるまでの間近づかないよう
に措置することが、児童4二徒等がより安全で安心して学校生活を送る上で重要であると考
えられます。」(出典:「福島県内の学校の校舎・校庭等の繰量低減についてJ)
→ これを見ると、国は「原則年間l msv以下を達成するため、毎時lI,SV未満を目安と
する」と言つているのであって、「毎時l μ SVJを「目安J=「安全基準」にすると言つて
いるのではない。つまり、国は、「年間l msv以下」を目指すため、ホットスポントも含
めて、実証実験や専門家の見解を踏まえながら、極力放射性4/4質を除去することを早急に
実施できる具体策を示しているのであり、県の回答のように「国や専門の機関の指導や助
言を仰ぎながら、今後その対策について検討するJというような悠長なことを言つている
場合ではない。
(2)放射線量は定点の調査だけではなくきめ細かな測定でホットスポットを視党化して
除染することの必要性を県が示してください。
8月26日に、回は、「除染に関する緊急実施基本方針」を発表しました。それに基づいて、
県は、財政措置、除染、測定機器の効率的な整備・運用、人材育成、専門家派遣の支援、
除染によって生じる汚染土の処理について、より具体的な説明を国に求めているところで
す。
(3)除染は緊急の課題であるため、行政の対応を待っていられない状況です。地域住民
が自主的に除染を行う場合の放射能の基礎知識と除染方法、汚染上の処理などについての
情報を提供してください。そしてその活動を公費で支えてください。
今後、「除染に関する緊急実施基本方針Jなどを参考にするととt)に、国や専門の機関の指
導や助言を仰ぎながら、除染対策について検討してまいります。
コメント)
→ 「除染に関する緊急実施基本方針」の「付属資料Jで詳細に「除染対策」カミ示されてい
る。
4.叡智の結集と連携へ向けての要望
放射能汚染の問題は未知の領域です。大学、研究機関、民間企業の知恵と力を結集できる
システム、たとえば、低線量被曝の健康や社会への影響を研究する「低線量被曝研究セン
ター」や除染についての研究を進める「除染研究センター」などを県が主導して立ち上げ
てください。
放射線にかかる健康・社会への影響や除染対策については国が責任をもつて方針を定める
べき問題であり、研究機関の設置など、必要に応じて国に対し要望をしてまいります。
コメント)
→結局、国が、日が、と言つているに過ぎない。地方分権と言われる時代に、国が決めな
ければ動けないのであれば、宮城県としての自治体の存在意義はない。

吉田さんから(事務局)

○回答書について
全般的には、国の方針待ちで、県としての方針が見えない。
この内容で、なぜ回答が2週間以上も遅れたのか、解らないですね。

1.(1)について
独自基準値については、年間積算量を20mから1mに変更して計算すればよい。
また、子どもと妊婦は、発病率(?)が5倍ほど高いことを考慮して、別基準にする。
高度な専門的知見も大事かも知れないが、人類史上類を見ない事故であり、
これまでの統計上、学術的判断ができかねる状況。
将来の子どもたちの命を危険にさらさないために、何事もなければそれでよいわけで、
できうる限り放射能の影響を及ぼさない対策を講じるのが
行政の役割だという立場にたって、再検討願いたい。
1.(2)
子どもの放射能の影響は大人より高い。
ましてや暫定基準値は、従来より高い値。輸入食材でも370Bq/kg。一般に出回っているのが、
子どもにとって安全とは言えない。親の安心をも考慮して、測定器の配備を再考願いたい。
1.(3)
県は宮城県民の子に対する学校給食の安全性に、どんな見解と責任性をお持ちなのか、見解を伺いたい。
1.(4)
「放射線に関しての正しい知識」の見解を伺いたい。特に、内部被曝に対する「正しい知識」を伺いたい。
2.(2)
国の財政負担がなければ、県はなにもしないということなのか。
県民の健康を守るために、県はどのような意思をお持ちなのか?
2.(3)
有識者選定にあたっては、どのような見地をもってなされたのか?
2.(4)
3/11意向の子どものストレスや体調不良は、現在どのように把握しているのか?
被災地での健康状況など、報道されていたのだから、あるのではないかな。
それに対して、新たな取り組みなど、どのような体制強化をはかっているのか?
3.(1)
文科省も、積算線量年1mSvを超える地域を発表している。
現段階の測定値ではなく、
積算線量1mSv/yを超える地域の早急な対策を講じることを求めるとともに、
局所的に高い場所を、どのように把握しているのか、いつ検討に入るのか明言して欲しい。
3.(2)
10月中に、国はロードマップを策定すると国会答弁があったように把握している。
発表したら、すぐ取り組めるように、体制を整えて欲しい。
「放射性物質汚染対策班」とは、どのような内容の業務をしているところなのか?

このような要望事項をすでに福島は取り組んでいることから、
宮城より福島の方が給食が安全であったり、
除染によって内部被曝の危険が減ったりしている。
国の方針の遅れを理由に、宮城県の子どもたちが危険にさらされていることを、
宮城県知事はどのように考えるのか?率直にお聞きしたい。

何だか、議会での質疑みたいになっちゃったのですが、とりあえず、送信します。


みなさまもご意見ご感想がありましたらコメント欄からどうぞ。

カテゴリー: お知らせ タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください