宮城県議会保健福祉委員会請願審査 聞き取りと報告

「子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク」からの転載です。
少し長いのですが詳細な報告をしていただいて委員会の内容や、各委員の意見が非常にわかりやすくレポートされています。是非、ご一読ください。


先日の3/15に県議会の保健福祉委員会の参考人として意見を述べに行ってきました。
残念ながら結果は継続審査(次に持越し)という ことになってしまいました。そうすると次回の議会は6月と大分先になってしまいます。

有識者の方からも健康調査の意義を否定しない発言も出るなど全体の流れとしては当然採択に(付帯意見つきにしても)行きそうな雰囲気でした。自民 、公明系の県議の方々も「東電、国が責任を負わなくてはいけないことだが、私たちもこうした内容については必要なことだと思う」といった感じでした。しかしいざ採決になるとやおら自民、公明の方々は宮城県の子どもたちすべての「すべて」が問題である、「予算の裏付けがない」など採択へ難色を示しだし民主、社民、共産系の議員の方々が「趣旨を組むべきで細かい点については付帯意見をつければよい」などと理解を求めてくれましたが 結局は継続審査となってしまいました。
何とも残念な結果となってしまいましたが、35団体が連携して県全体でこれだけの声があることを示せた意義は大きかったと思いますし、ややもすると消えかけてしまう問題にもう一度目を向けさせることができたと思います。
21日にも保健福祉委員会が開かれ、また何らかの話し合いがされるようです。何か動きが出てくることを期待したいと思います。
ここまで色々とご尽力いただいた方々にまず感謝申し上げます。 この請願も否決されたわけではありませんし、まだまだこれからですので、今後についてもいろいろと相談しながら進んでいきたいと思っております。
(文責 子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク・代表:太田茂樹

6人の参考人を招致しての4時間に及ぶ請願審査の傍聴聞き取りです。
テープ起こしでもなく、数値など不安要素もありますが、これだけの参考人のお話は貴重と判断し掲載することにしました。ご覧になった方の、リスコミ(リスク・コミュニケーション)のキャパシティを信じます。
請願は、民意をくみ上げる、という救済的な意味合いが強く、権利の一つです。
委員は審査のなかで、採択すべきかを議論するのであり、参考人の一人である請願者は願意についての意見だけを述べれば十分なことです。趣旨内容の審議の対応は、紹介議員が行うのが一般的です。一部採択、審査意見をつけるなどの手段もあるのですから、予算の裏付けが採択を左右するものでもないと、私は判断します。今回のように、請願者に趣旨を問いつめたことには、驚きました。矢面に立たされた太田さんには、心から申し訳なく思っています。「子どもの健康を守る思いは全員一致している」と言われた委員の皆さんの、一刻も早い真摯な対応を望んでやみません。
(聞き取り文責 子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク・事務局:吉田貞子


<2012.3.15 宮城県議会保健福祉委員会請願審査 聞き取り>

○久道茂県対がん協会会長(有識者会議座長)
この保健福祉委員会で、有識者会議について委員の専門性と防護の視点がないことが議論されていた。委員の専門性については、放射線研究者が2名。放射線の研究では、防護を必然的にやっているので、防護の見解もお聞きした。甲状腺癌の研究者。そして座長である私は、レントゲンを使っての研究をしており、白血病の発生要因に関心があった。公衆衛生、癌予防、疫学、癌検診の有効性評価にあたってきた。有識者会議への要請事項は、①放射能汚染により、本県への影響はあるか? ②福島県に準ずる調査が必要か? ③県民の不安を払拭するために何が必要か? これに対し会議では、①影響ない ②一般検診と受診勧奨でよい ③正しい知識の啓蒙、生活習慣による発ガン率の予防、癌登録のさらなる推進を審議の報告としてまとめた。一言感想。科学的医学的な安全性と、県民の心の安全性にはギャップがある。これは、行政発信への根深い不信と、「専門家」の揺らぎが原因。(長滝重信元放影研理事長の講演を引用しながら)「サイエンス」=科学的事実 と 「ポリシー」=個人的、政治的、意図的に集める は区別。国連科学委員会が認めた「科学」では、広島・長崎12万人のヒバクシャの資料がゴールドスタンダード。経済的・社会的・合理的に実施可能な限り出来るだけ低くするべきというのはポリシーであり、国際勧告の「公衆被ばく1mSV」は、科学的根拠は全くない。この前提にたって、有識者会議の報告に対する委員の疑問に答える。

(1)「低線量被ばくは、現時点で不確かであり推計。ゆえに追跡調査をすべきだ。」
医学医療の多くは、不確実。完全に当たる診断や治療はなく蓋然性。放射線に関しても信用するしかない。疫学者の立場を明らかにすることが大切だと考えた。18歳以下は膨大であり、長期的であり、その医療資源はなく、科学者として無理だと判断した。

(2)「1回の調査で、必要ないとするのは乱暴」
WBCは全員1mSV以下で、健康に影響ない。甲状腺は、通常の経過観察でOK。何らかの異常が出たときに対処すればよい。これからも福島の調査を注視していく。宮城には、40年前から癌登録がある。福島はないので、今とらなければいけない。有識者会議への諮問は、そこまでのものでないので、やれと言われれば、今後資料をたたき台にすべき。

(3)「18歳以下全員する必要ない」のか?
福島でも完全実施は困難と聞いている。福島36万人を5年間で実施といっているが、半年間で32511人。1班5人体制で5班、医師14名。(内県外7名)検査技師11名(内県外8名)1日に550人。良性腫瘍に対して「放射線の影響が否めません」といった医師など、様々な問題が出ている。検診には、対策型検診と、費用対効果を考えなくても良い個人で受診する任意型検診がある。行政がやるのは対策型であり、目的と効果と費用を勘案するべきもの。また検診のやりっ放しではいけない。また、早期発見が必ずしも利益でない場合もある。小児癌検診は年間120万人していたが平成15年にやめた。死亡率減少効果がないばかりか、手術しなくても良い者まで施術したことがあった。発育が遅い前立腺癌や甲状腺癌。宮城県民40万人やるのはお金の問題でもとても無理。やるのであれば対象者をしぼる。重点区域のような4市5町と、それ以外を実施して分析し、結果を県民に定期的に開示。科学的にリスク0ではない。知識をもって癌と闘おう。お節介の精神ですすめるべき。

<質疑>
◆石橋(公明) やれば貴重なデータになる。仙台でも富沢小で除染した。子どもを守る視点が大切。出来るなら全部だが、重点区域だけでもやるべきだということか?
○久道  重点地域でも対象区域、対象者を絞る。丸森でも高い筆甫、耕野。石巻全市でなくても良い。高い区域に絞る。検査能力、処理能力がない。宮城には放射線専門医は13名。認定医でないと画像診断に差がでる。疑いがたくさんでる。「疑い」を精密検査できる医療機関が5,6カ所しかない。2次検査できる能力から対象者を逆算すべきではないか。
◆石橋  国にも私は強く要望してきた。久道先生に敬意を表す。
◆遊佐(民主)  有識者会議を開催する前に、委員同士の意見交換はなかったか
○久道  ない
◆遊佐  リスクコミュニケーションの視点が大切。丸森の調査数は少なすぎる。期間や予算が示されていたのか?
○久道  線量の比較的高い地域というだけで、人数とか予算とか県から聞いていない。
◆遊佐  小児癌の体制整備が必要では。
○久道  やり方やコミュニケーションの深め方。関心のある人と無い人がいる。無関心な人は、不安がっているが、講演会には来ない。継続的に長くやっていくしかない。
◆今野(自民)  栗原の稲藁や廃用牛処理とか、不安払拭の具体的説明はどうすべきか
○石井慶造 東北大サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター長
栗原には自分が関わったが、除染方法も業者手配も済んでおり、昨年実験も完了。稲藁処理も進展している。
◆今野  安全と有識者から言われる一方で除染もしなければならない。これではやっぱり不安。
○久道  事故が無くても自然放射線は出ている。日本1.5mSV。身体にも7000Bq持っている。人間は放射線を浴びて生きている。0でなければ安心できないと言われても困る。これを知っている人は以外と少ない。
○石井  WBCは内部被ばく、ガラスバッジは外部被ばくを測る。体内は3カ月すぎて1Bq/kg以下でK40の値より低い。元々宮城は自然放射線量も低い。
◆仁田(自民)  県民に対する知識の啓発が大事。アーニー・ガンダーソン博士は100万人癌になる可能性があると言った。マスコミのとらえ方も問題。医学的見地から、どんどん活動するよう要望する。
○石井  低いと言ったが、モニタリングはしっかりやった方がよい。
◆本多(社民) 石井教授は、むしろ放射線が身体にいいと言ったと聞いているが真偽は?
○石井  そういうことを言う人がいると言ったら、私が言ったことに報道された。
◆本多  低線量被ばくは影響がはっきりしていないという立場か?解明されていない?
○久道  いろんな研究者がいろんなことを言っているのは確か。チュエルノブイリ膀胱癌は、国際会議では、まだ認められていない。研究方法、解析、ピュアレビューなど。甲状腺癌以外はエビデンスがえられていない。
◆天下(共産) 床次眞司教授も、まだまだ解らないことがある。健康調査は必要だろうと言っていた。久道先生の先程の『せめて・・・』(重点区域の実施)は、意義ある第一歩の発言だ。我が子は大丈夫か?に応える必要がある。子どもの検診は、一般癌検診で対応できるのか?
○久道  弘前大の見解は、全くその通り。「せめて・・・」は確かに「せめて・・」であり、できるかを分析する必要がある。癌検診、白血病検診は子どもにはない。白血病の頻度は少ない。1万人に1人の発病を見つけるために、9999人に検診をすべきか?あまりにも頻度が少ない癌検診は必要ないというのが、癌検診の視点。甲状腺癌も低い。宮城の19歳以下の2002~2006年の5年間での発症は8名。40~60歳で250名(男性50名、女性200名)、丸森は0!無駄が多い検診。乳ガンの乳房自己検診のように、親が気をつけてほしい。
◆天下  白血病など、できることをもっとやっていくことを提言すべきでは?
○久道  白血病検診は大変だ。血液を採ればよいというものではない。血液の専門家は少ない。必要性と実施可能性を考えて提言している。
◆細川(自民)重点地域に絞ると1万3千人になる。限定してのガラスバッチの有効性は?
○石井  1mSV以上の所が除染。本当に超えているかを調べるのには有効。山中では1mSV超えているところがある。どういうふうにどう除染すべきか解ることが、ガラスバッチの有効性。子どもと大人では高さが違うので、正確なモニタリングになる。

○吉田浩子 東北大大学院薬学研究科ラジオアイソトープ研究教育センター
2011.6.20から県南部の環境測定に入った。個人被ばく線量のモニタリングのプロジェクトを結成。8.31丸森町長から個人情報と人権尊重を条件に31名実施。12.16越河小48名実施。現在120名実施。宮城県は広く「汚染地域」が広がり、丸森と白石が高レベル。人は動くのだから、環境線量評価だけでは不十分。宮城県の基礎データをとるのは重要。除染効果を見るのにも必要。「高濃度汚染地域」を含む丸森、白石については、15歳以下を全員対象とし、継続した累積線量調査を行うべき。「汚染状況重点調査区域」は、15歳以下から少なくとも抽出して調査。
放射線防護の原則は確定的影響が起こらないようにし、確率的影響が起こる確率を許される程度にまで抑えること。全関係者による最適化のプロセスへの関与が必要であり、意思決定プロセスには防護の専門家だけでなく、利害関係者の参加を含むべき。
「安全」と「安心」は違う。放射能は、人が「怖い」と思う要素を全て持っている。リスクコミュニケーションは双方向な対話の過程であって、一方的な啓蒙、教育は押し付けにしか過ぎず、リスクの社会的受容には有効ではない。十分な情報提供、話し合い、意思決定への参加、線量モニタリング・健康調査などによる納得での不安軽減が有効。

<質疑>
◆仁田 (学会論文に出す用意があるのでデータが出せない、と言ったことに対して)ならば公的に認められていないデータ。今日明日の問題を今論議している。今後発表する論文で議論できない。リスコミも。
○吉田  住民のために測定。論文を世に出す責任がある。配付資料に載せられないだけで、リスク評価に係わるものでない。リスコミは学問の体系としてある。
◆仁田  数値もだせないもので議論できない。リスコミなど、この程度のことなら誰でも知っている。
周知の仕方が大事。受け入れ方の問題だ。
○吉田  資料に出せないのはグラフとしての数値。仁田先生は現地に行かれてどうなされたかわからないが、私は現地に行ってリスコミの概念が行き渡っていないと感じたので、皆さんご存知かと思ったが、報告した。
◆天下  県予算450万円では納得できないでしょう。行政に望むことは?
○吉田  8月31日まで、3カ月半足踏みした。ある所から、ある自治体から「県がやる必要ないと言っているから、必要ない」「線量が高いところだけでは不公平。行政は公平性が大事」という理由で協力できないと言われた。1回3500円。研究としてやっている。県はやる必要ないと言わず、自治体の考えでやって良いと言って欲しい。
◆遊佐  子どもに対する影響についての見解
○吉田 テルルとか、事故直後にとられていない。8月31日以降で、1~5mSv/年。おそらく影響はないだろう。しかし長い将来にわたってはわからない。個人の体質がある。マーリー・キューリーは大丈夫でも、周りの人間はバタバタ倒れた。絶対にないとは断言できない。
◆遊佐  望ましい抽出方法は?
○吉田  お金と手配できる線量計の数。ほとんど福島にいっている。推計にも時間がかかる。汚染レベルに従ってか。
◆本多  リスコミは大切。これが上手く行かなかったからこうなった。どういう対策でいったら、上手くいくか?
○吉田  まず、調査への協力。次に人の気持ちは色々あるのだから、いろいろな考えがあることを認める。そして長く続く問題だから、今後も多様なバイアスがかかる。不安になっている人にどうして不安かを聞き、受けとめる。
◆細川  受け手はどうあるべきか
○吉田  受け手に求めるのは、誰かが言ったから正しい、というのでなく、手がかかりモチベーションを維持しにくいが、1つ1つを吟味して自分で判断することだ。

○保科郷雄丸森町長
  除染の大きな問題は仮置き場。丸森は水道普及率が県内で一番低い。水の問題に重なる。県は仮置き場から最終処分場というが、福島なら丸森は直接の方が近い。空間線量は4月11日からしか測定できなかった。当時、県南では山元と白石だけ。3月20日石井教授が入って計測した時で1.48。川平地区は飯舘から4K。空間線量は福島と同じ位なのに、対応が違う。同じようにして欲しい。米の移行が少なくて良かったと思ったら、椎茸や灰、と何が出てくるか解らない。丸森は山林が72%。水分60%水準が、土壌数値が高い原因か?ほだ木も昨年は大丈夫でも今回はダメ。国基準が変わったこともあり、不安は払拭できない。深く耕作したところが低い値。県の健康調査もなぜ一部だけなのか。1μSV以下の所は除染補助がでないというので、ボランティアで当時除染。国、県に要望し続けてもダメだから、町で実施することにした。18歳以下は是非やって欲しい。甲状腺に明るい町内の開業医が協力。

<質疑>
◆石橋  あらためて深刻な状況を理解。川内村長に話しを聞いたことがあるが、同様の深刻さ。健康調査は継続してやることが必要だ。町単費では、費用負担がたいへん。
○保科  とりあえず、出来るところからやろう。まず甲状腺検査、結果をみてWBCなど、必要なことがでてこれば考慮していきたい。
◆石橋  他市町村との関わりは?
○保科  健康調査については、特別話ししていない。賠償問題は、2市4町で一緒にやる。
◆遊佐  県の対応へ望むこと
○保科  要望はずっとしてきた。「県には数値をまとめなさいと言ったが、宮城県は出していない」との国会答弁があった。しっかり県が出していたら、丸森は自主避難区域に指定されたのではないか。県も一生懸命動いていただいているが、町は町民のために対策していくしかない。県も同じようにしてほしい。
◆遊佐  特措法が国でも成立。予算要求も。
○保科  追加調査もあれば、予算要求もしたい。
◆仁田  丸森から、専門家の派遣や財政支援の要望をうけた。久道氏から専門家は宮城に13人しかいないと。派遣は全国から求めないと無理かと感じた。財政は国がよこさない。東電の対応は全くなっていない。
○保科  私たちは被害者。健康調査は、細野大臣が県南からやると。県の指導が必要な部分がある。一緒に行動していただきたい。2月24日東電に要望書提出したが、どのような対応がされるかは不透明。
◆仁田  県も県議会も一緒。東電の対応がひどい。町長を激励したい。
◆天下  国から何か言っているか
○保科  ない
◆天下  重点なことはあるか
○保科  発病とか、出てしまったらどうしたらよいか。有識者会議は。
◆本多  血液検査とかもやるとしたら、県へ要望することがあるか
○保科  国、東電に、県と一緒にすすめたい。予算付けができるのであれば、してほしい。
◆佐々木 交付金の見通しがついたのか
○保科  ついた
◆佐々木 文科大臣と話したが、福島は202万人の健康調査の面倒を見てもらっている。丸森では大人の心配の声はあるか
○保科  林業や酪農従事者から健康の影響を心配する声が出ている
◆佐々木 18歳以下に限らず、健康調査の要望があるということか
○保科  ある
◆今野  公害の問題に関わったことがあるが、同様な視点。思い切った対応が必要。南相馬市長も国に任せていられないと言っていた。
○保科  国の福島と宮城への対応の違いは感じる。福島で思い切ったことをやっても予算付けがきくのではないか。宮城が同じ対応をしてもらえないのが残念。ギャップが拭いきれない。きちんとした財源は必要。でも町民の安全には、町は思い切った対応をしたい。
◆今野  国は人災としての態度はある。法的な行動は考えているか
○保科  考えてはいないが、あるのであればご指導いただきたい。
◆細川  検査を受けた後の反応は?
○保科  WBCはすぐに結果がでたので、少なくて安心したと聞いている。甲状腺は、嚢胞といわれた方は驚いたと。

○篠原 (請願者  みやぎ脱原発・風の会代表)
自分は原子力の研究をしていて、危険であることを知った。今回の事故のようなことがあってはならないことだ。被ばくしてしまったのだから、体制を整備してほしいと県議会に請願をした。測定体制は整備されつつあるが、身体の被ばくには手つかず状態が続いている。ヨウ素の影響をデータでとる手段はすでにない。初期被ばくのデータを取ることの大切さ。有識者会議の報告も「推計される」だ。学術の1方向だけで結論付けされている気がする。今中論文に「LSSデータにHLTモデルを適用することは十分合理的なアプローチであると著者は考える」とあるが、これを採用すべきかと思う。原発労働者の労災認定は5mSVでも認定されている。

○太田 (請願者  子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク代表)
筆甫に住んでおり、子どもたちを一時東京に避難させていた。筆甫に住み続ける決意をした。親の都合で決めたのだから、子どもへの健康被害が出ないように子どもネットで活動してきた。専門家ではないので心情を伝えたい。初期被ばく状況が全く解っていなかった。有識者会議は、1回の甲状腺調査で結論を出してしまった。会議の皆さんが、現地にきて話しを聞いたとかは全くない。住民は、どういう行動をしていたか、情報がないので外遊びをさせてしまったとか、とても不安がっている。栃木では、住民との意見交換会をもったと聞いている。リスコミのやり方でないと、不安は解消されない。尿検査のデータ。坪倉先生は、南相馬市でもWBCの結果で子どもは10Bq以上を再検査の目安に考えていると言っている。WBCは、県南に1台は買って調査していく必要がある。丸森は高い線量であることをわかって欲しい。管理区域と同じところで生活している。子どもへの影響はわからない。子どもの体質、アトピーとか化学物質過敏症とか。想定外をなくすこと。栗原市長が、最悪の事態を想定して対応、最大限の努力をすると言ったが、もっともだと思う。ある県南のお母さんが、子どもにどう説明したらよいのかと。宮城県はお金がなかったから、大丈夫っていったから、と将来説明するのか。大きくなった時、子どもたちは宮城県に大事にされたと思うだろうか。子どもたちに出来るだけのことをして欲しい。年1回の健康診査に追加項目でもできる。正しい知識というより、もっと寄り添って考えてほしい。請願の一言一句そのままやってといっているのでなく、できるところから体制を整える一歩にしてほしい。それは、有識者会議に聞くまでもないこと。

<質疑>
◆仁田  気持ちはよく解りました。大変な苦労をさせたが、第一義は東電と国なんですよ。篠原さんは脱原発風の会だが、脱原発の運動と一緒に考えられると困るね。
○太田  子どもネットは、脱原発の運動とは一線を画している。原発はない方がこんな事故は起きなかった。第一義的な問題は、東電と国だと思っている。でも責任を押し付けあっていても、子どもの健康を考えたら進まない。宮城が痛い思いをしても、一歩踏みだして欲しい。
○篠原  事故が起きてしまったら取り返しがつかないことになると思って、脱原発の運動をしてきた。でも起こってしまった。子どもたちを守るためのことを考えなければと思ったのだ。
◆仁田  子どもをセシウムから守りたいというのは、委員全員一致の思い。現状で「公費」を宮城県の責任でやってしまうとな・・・復興予算も削られた。「公費」には宮城県も含むのか。
原発の有効性は、アーニー・ガンダーソンなど原発擁護から反対にまわったり、国際的考え方が遊離していて、今後議論しなくてはならない。
◆佐々木  真摯な取り組み、ありがとう。福島との違い、宮城に財源こない。国の第二次補正も、リアル放射測定器宮城6機に対して、福島354機など1834億。健康調査も202万人対象782億。国と東電がこっちを向いてくれないと前に進めないのが現実。18歳以下「すべて」といわれると。ガラスバッチも10億かかるんだ。請願の出し方がおかしい。
○太田  請願書はみなで意見をだしあった。請願団体には仙台も入っている。通りやすさも考えたが、現実的問題もあるから、出してみようと。
◆佐々木  丸森町長もいたいへんだ。この請願を通して良いのか。方向付けが問題。
○篠原   前提として県内全域が汚染されていること。内部被ばくの問題も。全ての子どもたちを守ろうという考え方。医療的なキャパ、汚染度の問題などあるだろう。まず出来るところからやる。何人やるとか、比較の意味で低いところもやるとかは、検討してほしい。600億かけなければ始められないとかではなく、何から何まで全てやってとかではなく、子どもを守るために、今のこの現状をどう打開するかということ。データは、どんどん無くなっていく。検証する元がなくなる。出来るところからやっていただきたい。
◆本多  10億というのは、800円×全ての18歳以下の40万人×3カ月×1.05。請願者のガラスバッチの配布の考え方は?
○篠原  吉田先生は、1万人あればデータとして有効と。意義あるデータ検討を専門家にしていただければ出せると思う。まずは初めてほしい。現実にあわせて取り組んで。
◆天下  有識者会議が影響ないと言ったから宮城は進まなかった。宮城県は必要性を認めて、具体的にすすめて欲しいというのが請願の趣旨か?
○篠原  やることが必要なのだという認識に立って欲しい。自治体が県のせいで協力しないのが現実。
◆遊佐  公費の意味は税金、国も県もその意味で同じと受けとめて良いか
○太田  それでよいと思う

<審議>
○遊佐 出来ることからやってというのが請願者の趣旨。今請願を通すことが、国や東電を動かすことになる
○本多 真摯な意見が聞けた。出来るところかといっているのだ、採択してほしい。
○天下 有識者会議が影響ないといったことで進まなかった。一方で国に要望している。吉田先生から具体的な提言をいただいた。切実な県民の思いを受けとめ、採択して国を動かしていくべき。
○仁田 公費が問題。現実的な問題として、すぐ採択ではなく調整が必要。継続。
○佐々木 地域を特定すべきかと思う。願意は主旨(1)(2)にかかっている。安全な地域もあると篠原さんも言っている。こういう表現になぜしたのか、紹介議員の意見も聞いてみたいものだ。
○本多  安全な地域があると篠原さんは言った訳ではない。汚染度の高い地域低い地域ということ。
○佐々木 それならそういう表現にすればよいだろう
○本多  今回継続にすると、6月。待てない。これだけ議論も深まった。付帯意見をつけて採択。
○天下  本多さんに同意見。きちんとしたフォローが必要。「安全」な地域ではない。仙台でもホットスポットがある。付帯意見。
○佐々木  請願に付帯意見なんてない。
○遊佐   趣旨採択して、具体的に付帯意見をつける。
○佐々木   主旨は、18歳全員。公費は東電と国。経過を見ていくためにも、継続審議。

採決:継続審議  賛成多数。(佐々木、仁田、今野、細川、石橋)

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