「放射能から角田を守る会」では子どもたちへの甲状腺検診を求めて、2013年8月31日から「子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名」を集める取り組みを続けてきました。
放射能の感受性が大人より強いと言われる子どもを持つお母さん方の中に検診を待ち望んでいた方が多くいらした事もあって、自主的に署名用紙を回していただいた方も少なくなかったようでした。3ヶ月で角田市だけで1500筆を上回る署名が集まり、本日2013年12月4日、角田市の市長応接室で大友市長に「子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名」を提出しました。(以下に全文を掲載します)
署名に協力していただいた、お子さんを持つお母さん2人も参加していただいて、会のメンバーと合わせ大人9人、子どもひとりの10人(内女性3人)で市長さんとお話しさせていただきました。
是非、回答をいただきたいとお願いしたところ「年明けに」という答えをいただきましたので、結果が出ましたらこちらでお知らせします。
年末のお忙しい中、面会に応じていただいた角田市長、放射線対策室を初め各担当の方々にお礼申し上げます。
まだ多くの甲状腺検診を望む方が自主的に署名用紙を回していただいているようです。ありがとうございます。今回、中間集計をして角田市長に提出しましたが、署名は続けています。実は今朝も200筆を越える署名用紙が寄せられましたが中間集計後でしたので残念ながら次回に提出する事にしました。ある程度まとまり次第、また提出しますので、お手元の署名用紙を「放射能から角田を守る会」会員まで渡していただくようお願いします。
署名にご協力いただいた皆さまに、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
福島県で見つかった甲状腺ガンは2013年11月12日の「(福島)県民健康管理調査」検討委員会において原発事故当時18才以下だった子どもの甲状腺ガンやその疑いの子は58人と発表しています。記載当時の日時を入れてあるので署名の説明文は変更しませんが、下記の文章を書いた時は合わせて43人でしたが、その3ヶ月後に58人になっています。残念ながら時間が経てば状況は良くなると楽観視できる状況にあるとは思えません。低線量被爆地の問題は内部被ばくだからです。食べて、吸って、飲んで、入って、いるからです。
※以下に署名の全文を掲載します。
■中間集計 角田市:1582筆、 宮城県(角田市以外):514筆、 他県(宮城県以外):30筆、 合計:2126筆
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子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名
角田市長 大友 喜助 殿
【趣旨】
福島第一原発事故により残念ながら角田市も放射性物質に汚染され、国の汚染状況重点調査地域に指定されました。
学校の除染は進められていますが2年半以上の月日が経った今も線量の高い公園や住宅の除染はされず子ども達の被曝による健康被害が心配です。
何より高い数値の汚染があった震災直後、不自由な生活の中、水汲みや買い物に外出し、放射性ヨウ素による被曝をしてしまった市民は少なくありません。放射能が撒き散らされた後、放射能の被曝の許容値がなんの説明も根拠も無く一気に引き上げられました。現在の食料の許容値である100ベクレル/kgという数字は事故前はドラム缶に厳重な管理の下に保管されるべき放射性廃棄物の数値でした。
福島県では18歳未満の17万5千人余の甲状腺検査が行われ、2013年8月現在18人に甲状腺ガンが見つかり手術を受けました。また25人がその疑いがあると診断されています。(国際的な水準では15歳未満の甲状腺ガンの頻度は100万人に1〜2人とされています)
丸森町でも町独自の検査を行い18%の子どもにしこりが見つかっています。
昨年、ボランティアによる仙南地区の疫学調査のための甲状腺検査が始まり100名を超す角田市民が既に検査を受けており、希望者は増えるばかりで、もはやボランティアでは受け入れきれる状態ではありません。
チェルノブイリ原発事故による低線量被曝について、今年キエフで行われた国際会議で「甲状腺ガンが事故後26年経っても増加が続き線量の高い地域で早期に発症し、低い地域ほど遅く出ている」との報告がありました。
甲状腺ガンは早期発見、早期治療が有効と言われています。角田市の経済の発展や市の活性化も大切ですが、子ども達の健康を守る事を最優先して一日も早い子どもたちの甲状腺検診の実施を求める署名にご協力お願いします。
【要請項目】
一. 甲状腺検診を早急に実施してください。
検診は一定期間ごとに長期にわたって実施してください。
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【2013/12/06:追記】
河北新報で記事にしていただきました。以下に掲載します。