台風19号の被災に関する緊急申し入れ

2019/11/6 13:30〜14:10に仙南地域広域行政事務組合に対し「住民の健康を守る」立場から「台風19号の被災に関する緊急申し入れ」を行いました。参加者は、マスコミを含め総勢18名でした。


2019年11月6日

仙南地域広域行政事務組合
理事長 滝口 茂 殿

放射能汚染廃棄物の焼却に反対する仙南の会
共同代表 長谷川 進
共同代表 八島 定雄
共同代表 吉田 隆夫

 

台風19号の被災に関する緊急申し入れ

(申し入れ理由)
台風19号により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、
被災した皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして、災害復旧に全力で当た
る貴組合の皆様に敬意を表します。当会としては、1日も早い復旧を願ってい
るところです。
さて、貴組合は、10月28日に、組合議会に対して「農林業系廃棄物の焼
却を中止し、台風19号による災害ゴミの焼却を優先する」ことを明らかにし
ました。そして、マスコミに対し「仙南2市7町で約2万トン(丸森町、角田
市で1万6千トン)の災害ゴミが予想され焼却に約3年かかる。仙南クリーン
センターの処理能力は1日20トンなので、他に焼却を依頼せざるを得ない
」「仙南クリーンセンターに運び込まれた災害ゴミの量は、置場の限界を超え
たので、無制限での受け入れを中止する」等を発表しました。
他方、マスコミでは「除染除去物入り袋流出(田村市仮置き場から)」河北
新報10/14朝刊、「除染の雑草、台風で川に流出か=空の10袋発見―福島(田
村市仮置き場から)」時事通信社10/17、「台風大雨で除染廃棄物54袋流出
(福島県内の仮置き場4ケ所から)」東京新聞10/22朝刊、「河川氾濫 福島で
除染土
50袋超流出(川内村下川内)」河北新報10/25朝刊、「丸森町の被災状況
」(筆甫地区、町営牧場等)TBS報道特集 10/19日等が報道されています。
こうした中で、住民は、「仙南クリーンセンターに運び込まれた災害ゴミは

放射能に汚染されていないのだろうか」「汚染された災害ゴミを3年間も燃や
したら健康被害が起るのではないか」等の疑念と不安を抱いています。
したがって、当会は、これらに踏まえながら、「焼却による健康被害から住
民を守る」ため、下記内容について緊急申し入れを行いますので、貴組合の真
摯な対応を求めます。

(申し入れ内容)
1 当会は、今回、貴組合が決定した「農林業系廃棄物の焼却を中止する」方
針は、台風19号による災害ゴミ発生状況から見て当然のことと受け止めて
います。(以下災害ゴミと記述する)

また、同じく、貴組合が決定した「災害ゴミの焼却を優先する」方針につ
いても、上記同様、当然のことと受け止めています。
但し、当会としては、放射能に汚染された災害ゴミの焼却は、「住民の健
康を守る」上で容認出来ないので、以下の対策を求めます。
(1)仙南クリーンセンターに運び込まれた災害ゴミの放射能測定を焼却前に
実施し、放射能に汚染された災害ゴミがあれば除外し、隔離保管すること

(2)災害ゴミを、仙南クリーンセンターに運び込む前に、現地で放射能測定
を実施し、放射能に汚染された災害ゴミがあれば運搬から除外し、隔離保

すること。
(3)高線量の放射能汚染廃棄物や8000㏃/㎏以上の指定廃棄物等が流失
し、災害ゴミに混入・汚染していないか。また、土砂崩壊によりセシウム
等の放射性物質が流出し、災害ゴミを汚染していないか。それらがノーチ
ェックのまま仙南クリーンセンターに運び込まれていないか等を市町毎に
追跡調査し把握すること。発見した場合、回収し隔離保管すること。
尚、上記作業は、時間が経てば経つほど分からなくなり、捜索や調査が
困難になるので、早急に実施すること。
(4)宮城県全体で指定廃棄物(8000㏃/㎏超)が1090トンあり、指定
廃棄物以外の汚染廃棄物で8000㏃/㎏超の物が650トンあることが、
第11回宮城県市町村長会議(平成28年当時)の資料1、資料2に記載さ
れていますが、この内、仙南2市7町に、それぞれどれくらいの量が、何
処にどのように保管されていたのかの情報を開示すること。そして
、(3)
の捜索や調査に役立てること。
(5)上記(2)(3)(4)の実施について、仙南2市7町の首長が出席す

理事会において申し合わせすること。
2 大量の災害ゴミを、今後、約3年間にわたり燃やす全体的な計画及びその
焼却灰を何処に埋め立てるのか、明らかにされたい。
3 台風19号により汚染された路上の汚泥が、乾燥して大気浮遊塵の放射性
物質濃度を高め、それを呼吸することによる健康被害の懸念に関する報道が
ありました。(河北新報10月31日朝刊)タイヤに汚染された泥が付着した車

両で、災害ゴミを現地から仙南クリーンセンターに運び込む場合も、同様の
事態が想定されますので、災害ゴミ運搬経路沿いの住民及び運搬作業者、仙
南クリーンセンター作業者の健康被害を避けるため、対策が必要と考えます
が、理事会の見解を明らかにされたい。

4 今回、仙南クリーンセンター敷地内のメンテナンススペースに野積みされ
た災害ゴミや熱回収施設周囲の通路沿いに置かれた泥水に浸かった大量の畳
、あるいは、多目的広場に野積みされた災害ゴミ等に雨水が浸透した場合、
下部から流れ出る浸出水は、側溝や排水管を通って敷地内調整池Aや調整池
Bに流れ込み、排水口から山林内の小川を下って下流の4つの溜池(稲作に
利用)に流入します。
問題なのは、災害ゴミの中に放射能に汚染されたゴミが混入していた場合
、その浸出水により下流の溜池にセシウム等の汚染が集中し、その水が稲作
に利用され、収穫米を食する虞があることです。
したがって、調整池Aや調整池B及び山林内の小川、下流の4つの溜池の
放射能測定を実施し対策する必要があると考えますが、見解を明らかにされ
たい。
5 台風19号により、仙南最終処分場西側山地斜面が土砂崩壊しましたが、
ここは「土砂災害警戒区域」に指定されていたのか明らかにされたい。

6 上記の西側山地斜面は、軟弱地盤ですが、今後、どのような対策と工事を
行うのか明らかにされたい。
7 西側山地斜面の土砂崩壊により、第3区画の遮水シートが一部破損しまし
たが、どのように修復するのか明らかにされたい。
また、遮水シート破損部から、台風19号やその後の降雨時による雨水が
浸透し、底部に放射能に汚染された「汚染水」が溜まった事が推察されます
が、これに対してどのように対策するのか、見解を明らかにされたい。
8 西側山地斜面の土砂崩壊が、西側及び北側の側溝を堰き止めたため、周辺
山地から大量の泥水が第3区画に流入し、それが第2区画の覆蓋施設内まで
押し寄せ、深く掘られた掘削穴に流れ込んだ事は、状況が示しています。
後日、確認した際、何本かのホースが掘削穴底部に下げて設置されていま
したが、どのくらいの水量(泥水)を汲み上げたのか明らかにされたい。

また、以上の事態により、上記7同様、処分場底部に放射能に汚染された
「汚染水」が溜まった事が推察されますが、これに対してどのように対策す
るのか、見解を明らかにされたい。
9 上記7,8で溜まった「汚染水」が、処分場底部の亀裂等から浸透し、地
下水を汚染する可能性が推察されますが、見解を明らかにされたい。
10 以上の事から、処分場底部に溜まった汚染水の有無、地下水汚染の有無、
調整池汚染の有無、下流の河川の汚染の有無等を確認し対策するため、これ
らの放射能測定を早急に実施すべきと考えますが、見解を明らかにされたい

11 以上に関する市町毎の住民説明会を開催し、住民の理解を得ることが必要
と考えますが、理事会の見解を明らかにされたい。

(回答期限と方法)
1 回答は、2019年11月26日頃までにお願いいたします。
2 回答は、申し入れの項目毎に、漏れなく、書面をもってお願いいたします

3 郵送は、下記住所まで、長谷川宛てにお願いいたします。
住所 989-1201 大河原町大谷字見城前57-22
放射能汚染廃棄物の焼却に反対する仙南の会
共同代表 長谷川 進

 

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